何の酔狂か、1月18日(月)より数日間、北海道を旅した。行き先は根室、今週の始めのことである。もうおわかりかと思うが、東京に大雪を降らせた、あの爆弾低気圧の到来と旅行の時期が見事に重なってしまった。なぜこの時期に旅を?と思われるかもしれない。冬の北海道、とりわけ道東の厳しい冬の海をどうしても見たくなった、ということに尽きる。
18日東京は大雪、との予報を前夜のニュースで知り、交通の遅延を考え、急遽その晩のうちに羽田に行き、空港のロビーで夜を明かす。そして翌18日は予報通りの初雪。滑走路の除雪が間に合わず、予約していた便は欠航、しかし次の便に何とか席が取れ、機上の人となる。東京の交通は大混乱だったそうだが、降り立った釧路の街は雪も少なく、穏やかそのもの。なんだ大したことなかったじゃないかと安心したのが私の浅はかさ。私の乗った飛行機は低気圧の渦を飛び越えていただけで、渦はむしろこれから私のいる所へ来ようとしているのだった。
列車を乗り継いで何とか根室にたどり着いたのは夜7時近く。宿に着いたのが7時半ころ。羽田での夜明かしと予定していた便の欠航、その後の度重なる遅延にもはや体力は限界。しかし宿のご主人の口から出た言葉は「いま根室に避難勧告が出ました。お客さん、どうします?」JRは既に全面運休を決定したとのこと。なんと私を乗せて来た列車が最後の運行であった。どーすんの?