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弦楽四重奏というものについて

昨年末、私が愛して止まない写真家・星野道夫さんの没後20年を記念して、弦楽四重奏のために書いた「風、河そして星々」という作品は図らずもこれまで私が書いた全作品の中で最も自分が満足できる曲となってしまいました。が、しかし「禍福は糾える縄の如し」(良いことと悪いことは交互にやってくるもの、という喩え)という言葉にある通り、その後気力と体力を使い果たしたことが原因なのか、寒暖の差なのか、単に年齢のせいなのか、体調を著しく崩してしまいました。しかしその後、リハビリを重ねているうちに、また新しい作品の構想が少しずつ貯まり始めたのですが、その中には再び弦楽四重奏曲の構想があります。

偉そうに聞こえますが、弦楽四重奏という媒体、私にとってはライフワークになるかもしれません。別にベートーヴェンに勝負を挑もうというわけではないのですが(そもそもそんなことできるわけもない)。弦楽四重奏はオーケストラのひな型と言ってもよく、その小宇宙は4声という限定されたパートゆえ、音を厳選せざるをえず、自ずと自分が何を一番したいのか、自分の進むべき方向性、音の哲学が勢い、磨かれる結果となり、自らの進む道を作品によって知らされるという意味で、まさにこの編成自体がわが師匠、導き手、という気が致します。そして何よりも私は弦楽四重奏という編成が大好きなのです。構想とスケッチは私が求めるまでもなく、私の頭の中で勝手に進んでいるのですが、しかしここは先を急がず、満を持して作曲にかかれるよう、しばらくは頭の中で放っておくつもりです。

よき作品というものは木々が生育するように自らが太陽に向かって枝を伸ばし、大地に根をはるように成熟してゆくものです。まさに機(木)が熟すのを待つわけです。

まだまだ猛暑

さて厳しい暑さが続きます。健康管理に気を使います。みなさんお元気でしょうか。

私は今年の前半はちょっと体調を崩してしまいましたが、徐々に快方に向かい今は適度に運動をしながら頭はほどほどに使って仕事に励んでいます。それにしてもこの暑さ。無理しないで疲れたら休むようにしています。それでもいつも持ち歩いている作曲の創作ノートは毎日、たくさんのスケッチ、アイデアが書き足され、ページは音符と言葉の密林と化しています。

さて、いま、とりあえず決まっているコンサートはまず、11月12日(日)東京タワーの展望台で行われる文化イヴェントで拙作が取り上げられます。次いで11月29日(水)東京オペラシティ・リサイタル・ホールにおいて日本現代音楽協会主催、秋の音楽展でチェロとディジュリドゥ、打楽器のための「ソナタ・パシフィカII」という作品が初演されます。ディジュリドゥとはシロアリに中身を食べられて真ん中が空洞になったユーカリの木で作られたオーストラリア先住民アボリジニの楽器で、人類最古の楽器とも言われています。その楽器を西洋の楽器とコラボレートしたものです。また近くなりましたら、詳細をお知らせ致します。