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最近の作品について

今、私はディジュリドゥとチェロ、打楽器のための「ソナタ・パシフィカII」という作品を書いていて、間もなく完成する予定である。ディジュリドゥとはオーストラリア先住民アボリジニの楽器で、それはシロアリに中心部を食べられて筒状になったユーカリの木で作った大変シンプルな楽器である。その起源は一千年前とも一万年前とも言われ、多くの謎に包まれているが人類最古の楽器のひとつであることは間違いない。構造的には大変シンプルだが、その音はまさに木霊あるいは大地の神の声そのものと言ってよいほど神秘的なものである。私は今度の作品でチェロに人間を象徴させ、自然を象徴させたディジュリドゥと組み合わせることで人間が自然と一体化する、そして人間が再び自然のゆりかごに包まれる、という、おそらくは人類が遥か昔から夢見ていたであろうヴィジョンの一万分の一でも表現できたとしたら幸せである。ディジュリドゥを担当するのは日本における第一人者、哲J氏。映画音楽や先鋭的なロック・シーンで活躍する極めてクリエイティヴなアーティストだ。チェロは私の作品に長年携わってくれている信頼すべき井上雅代氏。打楽器は今回は私自身が担当する。先日、井上さんとだけ既に楽譜になっている部分によるリハーサル兼打ち合わせを行ったが、大変いい手応えを感じた。よい作品になるに違いない。コンサートは11月29日(水)午後6時半、東京オペラ・シティ・リサイタル・ホールにて日本現代音楽協会主催 秋の音楽展。皆さん、どうぞお出かけ下さい。