月別アーカイブ: 2018年4月

もの思う葦

4月も後半。初夏のような日もある。つい先月、雪の知床半島を旅したばかりなのに。まもなく雪で長く閉鎖されていた知床峠も開通することだろう。

その、先月の北海道の旅だが、知床の雪原を歩いて、ふと見上げると霧が南風に吹かれて羅臼側からウトロ側へと知床連山を越え、滝のように流れ下ってくる様子を見て「ああ、私が音楽でなすべきことはこのようなものだ」と確信する。・・・つまり、むこう側から吹いてくるもの、聴こえてくるものを楽譜に書き取り、こちらの世界に伝えること。見える世界と見えない世界との間に通路を作り、むこう側の風をこちらに入れること。他の人々のことはわからないが、少なくとも私にとって音楽を作るとはそういうものだ。もちろん、私の力は無に等しい。しかしふたつの世界を結ぶ努力は必ず、誰かの幸せにいつか、つながる。