月別アーカイブ: 2018年7月

もの思う葦

本日7月22日は異色の日本画家、田中一村(1908年7月22日-1977年9月11日)の生誕110年目の誕生日でした。私が好きな画家のひとりです。千葉県出身ながら、中央画壇の雰囲気やマスコミ、評壇を嫌って奄美大島に移住し、南の島の植物や鳥など自然をモティーフにした鬼気迫る、細密画のような日本画を残した人です。アンリ・ルソーを日本画にしたような感じ、といったら少々、異論も出るでしょうが、彼の作品を全く観たことがない人に作風を説明するのにまずは適当な比喩です。

生前はほとんど中央画壇に認められず、無名に近い存在でしたが死後、急速に再評価が進みました。ネットで作品を観られますので、ぜひご覧になって下さい。

田中一村のことを私に教えてくれたのは私が大学2年の時、たまたま飛び込みで泊まった信州木曽は開田高原にあるペンション「山荘きっこり」のオーナー安田佐一郎さんでした。安田さんは大阪出身で大阪大学でフランス文学を専攻された方ですが、ある思いがあって信州に移住、霊峰、御嶽山の麓にペンションを構え経営の傍ら、こつこつと詩を書き続けた人です。2002年に安田さんが57歳の若さで急逝するまで、私はそのペンションに春夏秋冬、数えきれないほど出入りし(幸い、そこにはアップライト・ピアノがあったので)、作曲の仕事もそこでずいぶんさせて貰いました。・・・ある秋の夜、ストーヴの傍らで安田さんは私に一村のことを教えてくれ、「河内くんは一村みたいになればええんよ」と言いました。その言葉の含意は一言では言い切れないほど深い意味があったと思いますが、安田さんは一村に自分の芸術家としての理想像を重ね、またそれを私に重ねたのだと思います。私への最大、最高のエールとして今でも心の支えにしています。

七月

先週、本来なら七夕を祝う頃、西日本を中心に襲った豪雨により大きな被害が出ました。被害を伝えるテレビの映像を見る度、胸が痛みます。なぜか3.11の時の映像と重なってしまい、一層、辛く感じます。大地震はそう度々起こるものではありませんが、この数年、地球の天候は激変しており、日本では大雨による土砂崩れ、堤防の決壊による災害が各地で頻発しており、今後もこうした災害は増えてゆくでしょう。これも温暖化の影響なのでしょうか、それとも地球が大きな変化の時期に差し掛かっているのでしょうか。狭いながらも美しい日本の国土が傷ついてゆくのを見るのはとても悲しいです。今回の災害で被災された方々のために私も自分に出来ることをする。