8月も、もうすぐ終わり

8月15日より三日間、長野県の木曽は御嶽山の麓、標高約1,500mにあるペンション、山荘「きっこり」で過ごしてきました。このブログでは何度も取り上げている、私の知り合いの方が経営する山小屋です。ご主人が16年前にお亡くなりになってからは夏のほんの短い間だけの営業となりました。滞在中、九州地方を横断する台風の余波で雨ばかり降っていましたが、帰る日の朝、それまで降っていた雨がからりと晴れると、小屋のまわりの森はもう秋の気配。寒くてストーヴを出したくらいです。朝食後、御嶽山の登山口まで散歩に出かけました。奥さんが熊よけのベルを持ってゆくといいよ、と真鍮製(?)の、からんからんと鳴る鐘を貸してくれました。とっても素敵な音がする鐘で、それを片手に、からんからん、音を鳴らしながら山道を登ってゆきます。

木々の葉はまだ緑色ですが、空気は明らかに秋。森を吹き渡る風の音、鳥の声、こおろぎみたいな虫の声。澄み切った青い空・・・静かな時が流れます。そこへ私が鳴らす鐘の音。鐘は人工物ですが、音がよいせいか、自然を邪魔しているという感じが全くなく、それどころか、その鐘の音が森に消えてゆく、いわば音の軌跡を耳で追ってゆくと、私自身が自然の中へと吸い込まれてゆくような錯覚を覚えます。自然の中を歩くということは動的な瞑想かもしれません。

アメリカ映画「フィールド・オブ・ドリームス」の中である登場人物が「ここは天国か」と問うと主人公は「いやアイオワだよ」と答えるシーンがあります。その表現に倣うと、「ここは天国か・・・いや御嶽山だよ」。

この経験を作曲に生かせないかな、と思いながら帰路につきました。間奏曲「初秋にて」というタイトルにしようかな(少し陳腐?)。